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診療科のご紹介

消化器内科

主な診療疾患:肝臓

1)B型慢性肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)持続感染者(キャリア)はわが国では約100万人以上存在すると考えられています。B型肝炎ウイルスのキャリアは、生後3年以内の免疫能の未熟な時期に感染が起こり、多くはHBe抗原陽性の母親からの出産時の垂直感染で成立します。なお成人での感染は一過性の急性肝炎で治癒することが多く持続感染することはまれです。ほとんどのキャリアはHBe抗原陽性の無症候性キャリア期に移行しますが、10歳代後半から30歳代の青壮年期にかけて免疫の発達がおこり、HBV感染肝細胞の排除に伴う肝炎を発症します。肝炎の発症後、多くの症例ではHBe抗原の陰性化、HBe抗体の陽性化(セロコンバージョン)が起こり肝機能が正常化しHBe抗体陽性無症候性キャリアとして経過します。しかし一部の症例ではHBe抗原陽性のままでセロコンバージョンが起らず肝炎が持続し、肝硬変、肝細胞癌に移行する例がみられます。またセロコンバージョンがおこりHBe抗体陽性となった症例でも変異したウイルスにより肝炎が持続する症例が存在し注意が必要です。B型慢性肝炎の治療ですが、インターフェロンや内服の抗ウイルス薬(ラミブジン、アデホビル、エンテカビル)が使用されます。インターフェロンや抗ウイルス薬が使用できない場合は、肝庇護剤としてウルソデオキシコール酸(ウルソ、ウルソサン)やグリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンシー、グリチロン)等が用いられます。
2) C型慢性肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)は血液を介して感染します。わが国ではHCV保有者は約150-200万人と推定されます。感染経路は約半分が輸血であり、他に注射などの医療行為、入れ墨、覚せい剤の回し打ち、母子感染、夫婦間感染があげられます。HCVは初感染において高率に持続感染化し慢性肝炎となります。一般に症状は軽く肝炎の進行は緩徐ですが、20~30年という長期間炎症が持続し肝硬変に進展します。肝線維化の進行に伴い肝癌の発生も高率になります。わが国の肝細胞癌症例の約70%がHCV感染から発症しています。治療はインターフェロン治療が主でありますが、インターフェロン単独では治療効果は低く、週一回投与で効果が持続し副作用のすくないペグインターフェロンとリバビリンの併用療法で難治例といわれるgenotype1bかつ高ウイルス量でも50%のウイルス排除率が得られています。
3) 自己免疫性肝炎
自己免疫性肝炎は原因は不明ですが、自己免疫の異常が病気の成因に関与していると考えられています。特徴としては圧倒的に女性に多く、40~50歳代の中年女性の発症が多いです。また関節リウマチ、シェーグレン症候群、橋本病など自己免疫疾患の合併がみられることがあります。検査所見では高ガンマグロブリン血症、抗核抗体などの自己抗体が陽性であり、肝組織所見では活動性の高い慢性肝炎の所見で、形質細胞の浸潤が特徴です。治療は副腎皮質ホルモン剤が用いられ著効を示すことが多いです。副腎皮質ホルモン剤で効果が不十分な場合や、副作用で使用できない場合はアザチオプリンなどの免疫抑制剤が使用されます。
4) アルコール性肝障害
大量のアルコールを長期間摂取することが原因となり、アルコールの代謝過程に生じる過剰の補酵素(NADH)による代謝異常と、代謝産物のアセトアルデヒドの肝毒性により発生する肝障害です。 初期病変は脂肪肝で大量飲酒家のほとんどにみとめられますが、肝の線維化が進むとアルコール性肝線維症からアルコール性肝硬変へと進みます。治療は基本的には断酒が必要です。アルコール依存症を伴っている場合は精神科的な治療も必要になることもあります。
5) 薬物性肝障害
薬物性肝障害は発症機序により大きく2つにわけられ、薬物自体による障害である中毒性肝障害と、薬物に対する生体反応の異常である特異体質性肝障害に分けられ、後者はさらにアレルギー性と代謝性に分けられます。あらゆる薬物が肝障害の起因薬となり得るので、診断には詳細な薬物の服用歴の聴取が必要です。治療としてはできるだけ早期に被疑薬を中止することです。症状が遷延する場合はウルソデオキシコール酸や副腎皮質ステロイド剤などの内服治療が必要なこともあります。
6)原発性胆汁性肝硬変
原発性胆汁性肝硬変(Primary biliary cirrhosis:PBC)は、中年女性に好発し、肝臓内にある小葉胆管や隔壁胆管が進行性に破壊され胆汁鬱滞を生じる疾患です。自己免疫異常が原因ではないかと考えられています。皮膚掻痒感を初発症状とすることが多いです。PBCは臨床上、症候性(symptomatic)PBCと無症候性(asymptomatic)PBCに分類され、皮膚掻痒感、黄疸、食道静脈瘤、腹水、肝性脳症などの肝障害に基づく自覚症状を有する場合は症候性PBCと呼ばれます。症状を欠く場合は無症候性PBCと呼ばれ、無症状のまま数年以上経過する場合があります。治療はウルソデオキシコール酸(UDCA)が第一選択薬となります。終末期には肝移植の適応になることがあります。
7) 脂肪肝・NASH
脂肪肝は肝臓に過剰な中性脂肪が蓄積した状態で、肝組織生検で脂肪滴を伴う肝細胞が30%以上認められる場合をいいます。飲酒、肥満、糖尿病、薬物、妊娠などが原因と考えられています。脂肪肝自体は可逆性の変化であり予後良好と考えられていましたが、まれに炎症を来し肝硬変や肝癌へ進展する病態もあることが分かってきました。これを非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)といわれています。NASHの診断は非飲酒者であり、他の肝障害の原因がなく、肝組織診断で脂肪肝炎であることで診断されます。NASHは生活習慣病の肝病変と考えられ、肥満、糖尿病、高脂血症などの合併が多いです。治療は食事療法と運動療法による体重減少が基本になります。薬物療法はまだ確立されてませんが、ウルソデオキシコール酸やビタミンEなどが処方されます。
8) 肝硬変
肝硬変とは種々の原因によって起った慢性の肝障害により正常の肝小葉構造がくずれ、肝細胞壊死、隔壁形成などによって肝の破壊と再生が反復され、最終的に肝小葉が改築され偽小葉が形成された状態であります。一つの独立疾患ではなくウイルス肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝障害などによって生じた終末像ととらえられています。臨床的な分類としては、代償性肝硬変と非代償性肝硬変に分けられます。腹水、黄疸、浮腫、意識障害などの明らかな症状が認められないのが代償期で、一つ以上認められる場合を非代償期といいます。治療は、もとの正常肝へもどすことはできないので、QOLを維持、改善さすことと後は原病対策と合併症対策になります。主な死因は肝癌、肝不全、消化管出血で特にC型肝硬変は年間7%の発癌率があり、腫瘍マーカー及び腹部超音波検査、CTなどの画像診断でのスクリーニングが必要です。
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