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診療科のご紹介

内科

主な診療疾患

●糖尿病
糖尿病は膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの分泌不足や作用不足によって、血液中のブドウ糖(血糖)がうまく細胞に取り込めなくなり、血糖値が上昇して発症します。慢性的な高血糖状態が続くと全身の代謝障害をきたすため、さまざまな合併症を引き起こしてしまう病気です。
糖尿病には、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が何らかの原因で破壊され発症する1型糖尿病と、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足・肥満が成因にかかわる2型糖尿病とがあります。
1型糖尿病は幼少児でも発症し、インスリン注射を必要とします。最近激増しているのは中年・青年期に多く発症する2型糖尿病で、糖尿病全体の90数%を占めます。もともと日本人はインスリン分泌能の少ない人が多いうえ、食生活の欧米化で高カロリー・高脂肪の食事が増えたことが増加の大きな原因です。
健常人の空腹時血糖値は110mg/dl未満で、110〜125mg/dlは境界型、126mg/dl以上は糖尿病型と診断されます。血糖の“平均値”を表す指標となるHbA1c(ヘモグロビンA1c)が5.8%を越えると要注意です。
糖尿病の自覚症状として、口渇・多飲・多尿や全身の倦怠感、視力低下、手足のしびれなどが知られていますが、実は初期には自覚症状がほとんどみられないことも少なくありません。そのため受診がおろそかになりがちですが、治療せずに放置していると全身の血管や神経に合併症が起こってきます。ことに網膜症・腎症・神経障害は糖尿病の三大合併症といわれ、進行すると眼底出血による失明、透析を必要とする腎不全に至り、神経障害から壊疽を発症し下肢の切断を余儀なくされることもあります。また動脈硬化も促進され、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞を起こしやすくなります。
糖尿病の治療の目標は、血糖値をできるだけ正常値に近づけ、合併症を最小限に抑え、健常人と変わらぬ生活を送ることです。糖尿病は“完治”させるのではなく、良い状態が長く維持できるよう“コントロール”していくことが大切なのです。適切な食事療法・運動療法でセルフコントロールを行ないながら、自分に合った経口糖尿病薬やインスリン注射を用いて、良いコントロールを目指して下さい。
●脂質異常症
脂質異常症はコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)が増加している状態で、普通は自覚症状がないので人間ドックなどの検査の時にたまたま発見されます。
動脈硬化を促進するリポ蛋白はLDLですので、LDLコレステロールの値で140mg/dl以上であれば高LDLコレステロール血症とされます。またHDLは低いと動脈硬化を促進しますのでHDLコレステロール40mg/dl未満を低HDLコレステロール血症とされています。トリグリセライドは150mg/dl以上の時に高トリグリセライド血症とされています。
脂質異常症の状態が続くと動脈硬化を介した様々な疾患につながりますので、早期発見、早期治療が重要です。豊かな食事と運動しない生活習慣に浸っている現代社会で増えてきており、まずはその改善と定期検査による効果判定が重要です。近年の薬剤の進歩によってその治療効果は良いので、投薬治療を勧めます。
血清脂質の管理目標は以下のリスクファクターのうちいくつあるかによってLDLコレステロールの管理基準が異なってきます。すなわち、加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患家族歴、低HDL-C血症などのリスクファクターが
無い場合は低リスク群(カテゴリーⅠ) LDL−Cは160mg/dl未満
1〜2個の中リスク群(カテゴリーⅡ) LDL−Cは140mg/dl未満
糖尿病、慢性腎臓病、非心原生脳梗塞、
末梢動脈疾患のいずれか1つのある
高リスク群(カテゴリーⅢ)
LDL−Cは120mg/dl未満
冠動脈疾患の既往のある二次予防は LDL−Cは100mg/dl未満
である事が推奨されています。(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版。日本動脈硬化学会)
●内臓脂肪蓄積肥満とメタボリックシンドローム
肥満は相対的に体重が重い状態の総称で、医学的に問題となるのは重さが悪影響を及ぼす腰、膝などの整形外科疾患がありますが、内科で取り扱うものの中心は、糖代謝、脂質代謝に悪影響を及ぼす事が中心になってきます。
肥満の中でも内臓に脂肪が蓄積する内臓蓄積肥満が様々な悪影響を及ぼす中心である事が解って来ましたので、治療のフォーカスをその改善に絞っています。
また、気道閉塞や呼吸障害からおこる睡眠障害を基盤とした睡眠時無呼吸症候群は、昼間の居眠り、集中力の低下などの社会的な問題もひき起こしてきます。これは、代謝上の問題の有無にかかわらず重要な事柄です。
内臓脂肪蓄積肥満
CTを用いた肥満症の研究によって、内臓に脂肪が蓄積するいわゆる内臓蓄積肥満では、高脂血症、糖尿病、高血圧が起こりやすい状態であると認識されていましたが、狭心症や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患症例の内臓脂肪面積をCTで調べたところ、肥満症が無くとも疾患群では内臓脂肪面積が大きい事が解ってきました。
この知見を敷延して内臓蓄積肥満を改善する事によって動脈硬化性心・血管疾患の発症を予防する事ができると考えられました。
現在、検診にて、血糖、血圧、脂質、肥満を認めた人には、労災保険による内頸動脈エコー検査や運動負荷心電図などの動脈硬化性疾患防止のための二次検診が行われています。これも、内臓蓄積肥満を基盤とした動脈硬化性疾患を早期に発見して防止するためのものです。
メタボリックシンドローム
世界的な栄養過多、運動不足を背景にして、内臓蓄積肥満を基盤とした動脈硬化症発症の増加、若年化が顕著になってきています。この状態を8つの関連学会の人たちが集まって診断基準を作りメタボリックシンドロームと呼んでその防止に乗り出しました。
内臓脂肪の蓄積を見つけるために、臍レベルウエスト径を測定によって、男性は85cm以上、女性は90cm以上を必須条件としています。これは、CTによる内臓脂肪面積100cm2に相当するもので、この他に以下の項目のうち少なくとも2項目を満たすものがこの症候群としています。
  • ○高トリグリセライド血症(150mg/dl以上) and/or 低HDL−C血症(40mg/dl以下)
  • ○高血圧(収縮期血圧130mmHg以上and/or 拡張期血圧85mmHg以上)
  • ○高血糖(空腹時血糖110mg/dl以上)
この基準に当てはまる人は、動脈硬化性疾患になりやすい状態にあると考えられますので、精密検査が必要であるとともに、運動などを通じて改善に努める必要があります。
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