放射線科
特色
大阪中央病院の放射線科では単純X線撮影から多列検出器型CTや超伝導高磁場 MRI をはじめとする最先端画像診断機器までを駆使し、全身の状態を苦痛無く調べる画像検査を行っています。
放射線科専門医は、数多くの画像検査法の中から症例に応じた最適な検査を選択して精度の高い検査を行い、出来上がった画像を専門家の眼で読影し、診断結果を皆様が受診された診療科の医師に報告します。
放射線科専門医はまた、病気の種類によっては IVR(インターベンショナルラジオロジー:適切な日本語訳はありません) と呼ばれる侵襲の少ない治療法を行います。これは1.5mm 以下の太さの細長い管(カテーテル)などを局所麻酔だけで皮膚から通し、CT、X線テレビ、血管撮影装置などの画像誘導下に、病気の部分まで到達させて行う治療法です。
スタッフ紹介
- 森田 吉多佳
(もりた よしたか)
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所属診療科 放射線科 役職 放射線科部長 資格 日本医学放射線科学会 診断専門医
日本がん治療医認定機構 がん治療認定医
臨床研修指導医
PEACE研修(がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研究会)修了
リザーバー研究会世話人専門分野 放射線診断一般
IVR
リザーバー等を用いた癌の治療(主に肝臓癌や消化器癌)治療に対するモットー 放射線医学はITの発達に伴い日進月歩で進化しています。10年前までは考えられなかったような画像がCTでもMRIでも撮影できるようになっています。しかし、それも的確に病態に応じて検査を施行しないと見えるものも見えてきません。臨床的に必要な画像を、最低限の侵襲で提供できるように放射線科として努力していきたいと思っています。
また、リザーバーを初めとしたIVRの手技を用いて、各種検査や癌の治療も積極的に進めていきたいと考えています。
患者さんにやさしく、患者さんに納得していただき、患者さんのためになり患者さんから感謝されるような医療の提供を目指していきたいと考えています。
●診療放射線技師 | 18名 |
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医療設備・装置
CT
CTとは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略で、X線を使用し、人体の断面像を取得する検査です。
当院では2022年3月下旬に新規CT装置が導入されました。新たなCT装置は128列マルチスライスCT(シーメンスヘルスケア社製 SOMATOM X.cite)。この装置の特徴は、低被ばく検査・低量造影検査・AI技術搭載・ガントリ大口径による快適性向上などです。
●低被ばく検査
この装置は『低被ばく撮影』に特化しており、胸部レントゲンと同等の被ばく線量で胸部健診CTが撮影可能*1です。
この装置によって被ばくの懸念が少しでも払拭できればと考えております。
*1:検査の内容・目的によって被ばく線量は異なりますが、どの検査内容でも従来の装置と比べて少ない被ばく線量で検査を受けていただけます。
●造影剤の減量可能
従来の装置と比較して造影剤の使用量が最大で50%低減*2が可能になります。造影剤の使用量を減らすことで従来検査が難しかった被検者の検査を行うことや、副作用の軽減にもつながります。
造影剤の使用に不安を感じる方の一助になれば幸いです。
*2:検査の内容・目的によっては適応できない場合もありますが、従来の装置と比べても少ない造影剤量で検査を受けていただけます。
●AIによる検査アシスト機能を搭載
この装置はAI技術を搭載しており、天井に設置された3Dカメラが寝台に寝ている患者様を装置が認識し、毎回適切な位置で最適な検査条件の撮影を行うことができます。
これにより再現性の向上と検査時間の短縮も可能となっており、検査を受けるたびに最適で均一な画像を提供できます。
●検査の快適性向上
ガントリ口径82cmで圧迫感が少ない装置となっております。
また検出器が128列となり、検査時間が大幅に短縮することが可能となっております。
当院では受診者様の被ばく低減を念頭におき、検査業務を行っており、現行では最新処理法である逐次近似法を搭載した64列マルチスライスCT(GE社製 LightSpeed VCT)が稼働しています。
現行のCT装置も従来のCT検査に比べて3割から5割程度の被ばく線量で撮影を行っております。
また、冠動脈CTやダイナミックCT等の多様な造影CT検査や大腸CT検査なども行っており、疾患に合わせた最適な画像を提供しています。
可能な限りの低リスク(低被ばく)による最大限の検査結果を患者様にお届けできるようスタッフ一同ご配慮致します。
CT:SOMATOM X.cite
MRI
MRIとは磁気共鳴画像装置(Magnetic Resonance Imaging)の略で、非常に強い磁石と電波を利用して体の内部の状態を検査します。
2022年1月に新規MRI装置が導入されました。新たなMRI装置は超伝導高磁場(1.5テスラ)MRI装置(シーメンスヘルスケア社製 MAGNETOM Altea)。
この装置の特徴は、ガントリ大口径による快適性向上・最新技術による高速検査・AI技術搭載・磁場均一性向上などの高画質化などです。
●検査の快適性向上
国内超電導型MRIでは最大口径に類する70cmのオープンボアであり、検査中の閉塞感を感じにくくなっております。また、静音技術『Quiet Suite』を搭載し、最大97%の騒音を除去しながら検査することができます。
●高速撮像検査
この装置は従来使用されてきた高速撮像技術パラレルイメージングに加えて、高速撮像『SMS・CS』を備えており、従来より最大63%の撮像時間で最適な画像を得ることができます。
●AI搭載や均一性能向上による高画質検査
AIによる『Deep Learning技術』を用いて実際に撮像した画像よりノイズの少ない画像や分解能の高い画像の再構成が可能です。また、磁場補正機構『CoilShim』を用いて患者様の体格による磁場の乱れを抑え、均一で最適な画質を提供できます。
これら特徴を生かすことにより、これまで「MRI検査って苦手だな」「うるさいんでしょ」という方でも気軽に検査を受けて頂ける装置となっております。
もちろんX線ではなく磁場を用いるので、被ばくがない低侵襲な検査となっています。
いろいろな断面画像を得ることができ、病気の状態、大きさ、形状に関する情報を観察することができます。特に『脳梗塞や脳出血などの脳卒中検出』や『認知症や脳萎縮の検出』にも優れており、早期発見・早期治療への足掛かりとなりうる検査です。また、造影剤を使うことなく脳血管を観察することができ、脳動脈瘤等の診断にも有用です。
検査での快適性の向上と可能な限り短時間で尚且つ最適な画像を提供できるようスタッフ一同努めて参ります。
SIEMENS社製:MAGNETOM Altea
一般撮影(レントゲン検査)
フラットパネル型X線撮影装置 (Canon社製 CXDI)を外来部門、健診部門全てにおいて用いています。撮影後3秒以内でオペレーションパネルに撮影画像を表示でき、スピーディで効率の良い画像提供を行っています。
また、フラットパネル型の導入により、従来のレントゲン(CR型やフィルム型)より高画質でありながら低線量での撮影を可能としています。
SHIMADZU 社製: RAD speed Pro
Canon社製: CXDI
マンモグラフィー装置・デジタル乳腺処理装置
2014年3月に富士フィルム社製のAMULET/及びが導入されました。
この装置は変換効率のよい直接変換方式FPD(フラットパネルディテクタ)を使用することにより、世界最小画素サイズ50μmを実現しており、低線量でノイズの少ない高精細画像を提供しています。
また、受診者をバランスよくやさしく支え、検査時の負担を軽減します。なお、撮影はマンモグラフィ認定資格を持った女性技師が主として担当しています。
読影精度に関しましては「マンモグラフィ検診施設画像認定」を取得しています。
富士フィルム社製:AMULET
【マンモグラフィ画像】
X線テレビ
胃透視や注腸の透視検査、各診療科の透視下治療で使用します。
高画質でありながら低被ばくでの検査が可能なフラットパネル型X線TV装置(Canon社製 ZEXIRA)を導入しています。各種手技に対応して、フラットパネルの特性を活かし、患者様に低侵襲で検査を受けて頂けるよう配慮しています。
Canon社製 ZEXIRA
血管造影
当院ではより精度が高く、低被ばくでの血管内治療・検査(IVR)を行うため、2017年9月より最新式Phillips社製血管撮影装置Allura Clarityに変更致しました。
これにより、患者様への負担を最小限にした上で各診療科の幅広いニーズに応えられる柔軟性と高精細な画像をご提供します。
Phillips社製:Allura Clarity
【心臓カテーテル検査画像】
骨塩定量
骨粗鬆症の診断や経過観察のために、骨密度を知ることができます。
2017年にDXA法による最新鋭装置(日立アロカ社製DCS-900FX)が導入されました。
腰椎および大腿骨を高速(約1分)で測定することができ、従来装置に比べて患者様の負担を軽減することができます。
また、測定部位を自動検出することにより、データ集積に優れた測定精度(再現性)を実現しています。
日立アロカ社製:DCS-900FX
【骨密度画像】