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診療科のご紹介

泌尿器科

尿路結石が心配な方へ

尿路結石症は男性の7人に1人が経験するといわれる頻度の高い病気で、突然背中から下腹部に激痛を起こします。腎臓でできた結石が尿管に降りてきて尿の通過障害を起こすために、腎盂内圧が上昇し激痛を起こします。40%の方で再発すると報告されています。尿路結石はメタボリックシンドロームの1つと考えられており、最近増加の傾向にあります。

あなたの生活習慣は結石になりやすいかどうか試してみましょう!

  1. @食事が不規則で食べてすぐ寝ることがよくある
  2. A食事は肉類などの脂っぽいものが好きだ
  3. Bアルコールはビールが好きでよく飲む
  4. Cジュースも好きでよく飲む
  5. Dあまり水分を飲まない方だ
  6. E牛乳などの乳製品やカルシウムの多い小魚などは苦手だ
  7. F採血検査で尿酸値が高いと言われている
  8. G家族に尿路結石を経験した患者がいる
  9. Hかなり汗をかく環境で仕事をしている
  10. Iストレスが多い中間管理職である

10問のうち6項目以上該当するなら危険グループと考えられます。もちろん結石の成分もシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸、シスチンなどいろいろありますので一概には言えませんが、該当された方は生活習慣の改善をお勧めします。

図1 腎尿管区分 結石は腎臓(腎盂)で作られます。そこで成長する場合と腎臓からはずれて尿管に落ちてくる場合があります(図1)。 腎臓にあるのを腎結石、尿管に落ちてきたのが尿管結石です。腎結石は無症状が多いですが血尿・発熱を認める事があります。尿管結石は突然の疝痛発作(背部疼痛・嘔吐・冷汗)や血尿を起こします。どちらも長期にわたって尿の通過が障害されると腎臓の機能障害を引き起こします。

尿路結石と診断されてしまったらどうすればいいのでしょうか?
“ビールを飲んで縄跳びをして石を出した”と言う武勇伝もありますがすべての結石にはあてはまりません。

尿管結石の大きさと自然排石率

左が結石の大きさと石が出た排石率のグラフです。 長径が9mm以上または短径が5mm以上なら半分しか排石していません。

下向き矢印

日本泌尿器科学会のガイドラインでは“尿の通過障害を認めない長径5mm以下の結石は自然排石が期待できるので経過を観察することが可能”の指針が示されています。

それ以外の結石は日本泌尿器科のガイドラインでは治療対象になります。当院ではガイドラインに示されているすべての手術治療が行えますが、積極的治療には合併症や副作用もあるので当院ではガイドラインより経過観察の割合を増やした以下のような指針で対応しています。

尿の通過障害がない
5-10mmの結石

左向き矢印 腎結石経過観察中に増大して10mmを超えれば外来ESWL
尿管結石1-2か月の経過で変化なければ10mm以上の結石として対応

尿の通過障害がない
10mm以上の結石

左向き矢印 腎結石15mm以上や増大傾向なら原則入院でのESWL
尿管結石外来ESWLまたは入院でのTUL

尿の通過障害がある
結石

左向き矢印 腎結石10mm以下なら外来ESWL・それ以上なら入院してESWLまたPNL(場合によってはTULも)
尿管結石原則外来でのESWL・10mm以上の下部尿管結石や尿の通過障害が高度ならば入院してのTUL・強度の癒着が考えられる場合は腹腔鏡下尿管結石砕石術

では当院で行うESWL・TUL・PNL・腹腔鏡下尿管結石切石術を説明します。

@体外衝撃波腎・尿管結石砕石術(ESWL)
衝撃波を体内の結石に収束させて破砕する方法です。体に傷はつかない(点滴も原則しません)ので、外来治療が可能です。ただ、15mm以上の結石の場合や感染結石の場合は入院での治療が必要となります。
ただ、結石が粘膜に癒着していると砕けても排石されない場合があり、複数回の治療が必要になる問題点があります。また、合併症として、破砕片が尿管に詰まるストーンストリートと呼ばれる状態や、腎臓での出血(皮膜下血腫)を起こった場合には緊急入院が必要になります。
シーメンス社製結石破砕装置

シーメンス社製結石破砕装置治療での焦点合わせは被爆のない超音波が選択できます
ほとんどは麻酔を必要としません

A経尿道的尿管結石砕石術(TUL)
尿道から内視鏡を尿管に挿入し、結石を見ながらレーザーで破砕する手術です。尿道からの治療なので、入院して腰椎麻酔または全身麻酔が必要になります。入院は3-4日間が標準です。当院では軟性尿管鏡も常備していますが、尿管の走行に問題があり結石部位まで到達できない場合や、結石が粘膜に潜り込んでいる時には砕石できない場合があります。
経尿道的尿管結石砕石術

尿道から内視鏡を尿管まで挿入しレーザーで結石を破砕するので体に傷はつきません
短期入院で治療可能です

B経皮的腎結石砕石術(PNL)
背中から腎臓に超音波でみながら通路を作成し、そこから内視鏡で腎結石をレーザーまたは超音波で砕きます。通路が太いので強力に石を砕いて取り出すことができます。全身麻酔が必要で、入院も1週間以上かかりますが、腎盂全体を占めるような珊瑚状結石にも対応できます。

経皮的腎結石砕石術

C腹腔鏡下尿管結石切石術
ガイドラインにありませんが、当院では2cmを超える尿管結石で、尿の通過障害が強く高度の水腎症を起こしている症例(いつからその部位に結石があったかわからないような例)に対しては腹腔鏡という内視鏡での手術も行っています。確実に結石を摘出できるので、破砕したかけらが残ることもなく結果として治療期間が短くなる症例もあります。
腹腔鏡下尿管結石切石術

大きな切開創ではなくポートと呼ばれる5mmの傷から鉗子で操作します
4-5か所の小さな傷なので早期退院が可能です

結石の再発率は高く、結石の成分によっては有効な予防法もありますので、定期的な通院での再発の早期発見と生活習慣の改善が大切です。
当院ではガイドラインにあるすべての治療法が選択できますし、生活習慣に関しては栄養部とも協力して対応しています。

当院の泌尿器科では次の治療にも力を入れています
○女性泌尿器科の病気
○尿漏れや骨盤臓器脱の専門治療
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