乳がん健診を受けようとお考えの方へ
2年に1回の乳がん健診では、次の健診までに発見・診断される中間期がんが10〜20%あります。
毎年の健診をおすすめします。
なお、乳がん健診で精密検査が必要となる確率は100人に5人程度ですが、実際に乳がんと診断されるのは1000人に2人程度と言われています。
理想的にはマンモグラフィーと超音波を併用するのが良いのですが、どちらかを選択される場合は以下の内容を参考にして下さい。
マンモグラフィーは石灰化の描出に優れ超音波(エコー)は腫瘤の描出が得意でそれぞれの特徴があり(下記)、お互いの欠点を補うため両方をするのが望ましいがコストを考えるなら健診では隔年で交互に受けるのもよいかと思われます。
- マンモグラフィーのメリット
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マンモグラフィーでは、触診ではわからない早期のがんだけでなく、しこりになる前の石灰化の状態も発見できます。
当院ではより精度を上げる意味で2方向から撮影しています。石灰化とは乳管のなかにカルシウムが沈着したもので、マンモグラフィーでは白い点のように写ります。
- マンモグラフィーの限界
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マンモグラフィーでは、しこりも乳腺も白く写るので、乳腺の発達が良い20〜40歳代の女性では乳がんが発見しにくい。
X線撮影なので、妊娠している人には使えません。
- 乳房超音波検査のメリット
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超音波検査では乳腺は白く写り、しこりは黒く写るので乳腺の発達の良い人の乳がんの発見にも役立ちます。
40歳代以下の乳がん健診では超音波検査の方が有効と言われています。
超音波では指では触れない数mm程度の小さなしこりも見つかります。
- 乳房超音波検査のデメリット
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検査者の技量に左右される。(当院では超音波検査担当技師9名中7名が超音波検査士の認定を受けており、残り2名も資格ができ次第取得予定です。また、定期的勉強会で技術力の向上を図っています。
マンモグラフィーについても当院では4名の女性放射線技師全員がマンモグラフィーの認定資格を保有しています。)
一般的にいわれているマンモグラフィーと超音波の比較 | |
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マンモグラフィー | 超音波 |
被爆する | 被爆しない |
検査に痛みを伴う | 検査に苦痛は伴わない |
石灰化の描出に優れる | 腫瘤の描出に優れる |
50歳未満は描出能低下 | 年齢に関係ない |
スクリーニングに適する | 検者の技量に左右される |
精度管理がなされている | 精度管理が不十分 |